最近、部下が退職届を出してきました。
退職の理由は、
『他の会社で自分の力を試してみたい』
ということでした。
もちろん、それを額面通りに受け取るわけにはいきませんが、
去年創業したばかりのほぼ実績がないような
小さなスタートアップ企業で働こうとしているようで
決して、安定とか給与アップを見越した転職ではなさそうです。
私が就業している会社では、
ここ数年で20代半ばから後半の若手社員がバタバタと辞めました。
自身の部下ではなかったため、詳しい退職理由を確認したわけではありませんが、
転職にしても起業にしても
『やりたいと考えていた業界で、自分の力を試してみたい』
という理由が多かったようです。
私が就業している会社は、コロナ禍でもリアルな出社を推奨し、
多様性にもあまり関心がないような
昭和から未だに脱却できない古い体質の会社です。
併せて、半導体不足を端に発した電子機器の納期遅延問題が直撃した結果、
お客様とかメーカとの納期交渉に追われる時間が非常に多くなりました。
ほぼ全ての取り扱い製品が即納という状況から、
軒並み納期1年以上という状況への変化は、想像以上に大きいものでした。
私自身30年以上この業界にいて、初めてというほどの大きな変化でした。
納期交渉は、まったくもって前向きな仕事ではありません。
交渉に関わっている人の時間を消費するだけで、
あまり良い感情を生むこともありません。
まさに『時間の無駄』とも言える仕事です。
お客様から直接クレームを受ける担当者のプレッシャー&ストレスは
相当大きかったと思います。
ビジネス上の大きな環境の変化が、
若手社員のメンタルに影響を与えたことは否めませんが、
退職ラッシュが起こった原因は、それだけではないだろうと漠然と考えていました。
実は私にも転職経験があります。
私の転職理由は、上司との【評価のギャップ】でした。
最近の若者は『草食系』なんて揶揄されていますが、
なかなかどうして考え方は『肉食系』。
私が同世代の頃は、与えられた仕事を上手くこなしていくことに精一杯で、
その仕事が『成長できる仕事』かなんて深く考える余裕はまったくありませんでした。
今の若者は、50代のオヤジが想像している以上に、【大人】なのかもしれません。
記事を読むと、2000年頃流行った歌謡曲のフレーズが浮かんできます。
『やさしくされると切なくなる。冷たくされると泣きたくなる』
(『誰より好きなのに』古内東子 作詞)
結局のところどうしてほしいの???と言いたくなるのは私だけでしょうか。