2023年1月31日に渋谷の東急百貨店本店(東京・渋谷)が
55年間の歴史に幕を閉じ閉店しました。
東急は跡地で複合型の高層ビルを再開発する計画はあるものの、
百貨店が営業再開するかは明言していないそうです。
新宿で再開発する小田急百貨店も、建て替え後の営業は未定となっています。
百貨店の思い出
私が20代までを過ごした地方都市にも、当時百貨店と言われる店舗が数店舗ありました。
うち2店舗は、平成を超えることができずにあえなく閉店となりました。
私が小学生の頃は、デパートに出かけることは一種のレジャーみたいなものでした。
地下のお惣菜&デザート売り場には人が溢れており、活気がありました。
玩具売り場で、流行りの玩具に目移りし、
レストランでのお子様ランチやパフェなど、
普段口にすることのできない食べ物に大喜び。
その上、屋上にあった遊具場はさながら小さな遊園地で、
半日以上を百貨店の店内だけで過ごしていたような気がします。
当時、百貨店にはもっぱら母親に半場強制的に連れていかれていました。
百貨店の現状について
マイボイスコム(株)が企画・運営する
日本最大規模のアンケートデータサービス【MyEL】の
『百貨店の利用に関するアンケート調査(第7回)』2021年3月調査によると
百貨店の10~30代までの利用者の割合は、わずか12%です。
40代:22%
50代:30%
60代・70代:36%
と40代以上で、なんと9割ちかくを占めています。
2012年の調査では、10~30代までの利用者の割合が38%だったので、
この10年で30代までの利用者離れが急速に進んだということです。
過去百貨店の専売特許だったブランド品も、
今はアウトレットモール等で正規品の50%以下の価格でお得に入手できます。
10年前にはそれほど浸透していなかったECサイトには、
今やいつでもどこでもアクセス可能です。
百貨店でなければ買えないとか経験できないものがない限りは、
『百貨店に行こう』と思わないのは容易に想像できますし
私のような50代のおじさんが持っていた百貨店への憧れなんて、
今の10代20代には皆無なのでしょう。
10~30代の利用者を開拓できない限り、
百貨店の利用者数が伸びないことは明らかです。
むしろ60代・70代の百貨店大好き世代が鬼籍に入り始める10~20年後には、
利用者数が4割近く減る可能性すらあります。
地方離れとも相まって、過疎化が進みだしている地方の百貨店には、
特に厳しいビジネス環境になってきているようです。
私自身はさほど百貨店を利用することはないのですが、
子供の頃の思い出を考えると、百貨店のような形態の商業施設が衰退していくのは
時代の流れとはいえ何となく寂しくも思えます。
と言いつつも、結局百貨店の利用と言えばデパ地下にたまに行くくらいで、
私自身もららぽーとや三井アウトレットパークの類いの
商業施設の利用が圧倒的に多いあたり、
やはり利便性が勝ってしまうのかもしれません。