出勤時に良く聞いているFMラジオの経済関係ニュースで、サバ缶大手の極洋が
『サバ缶詰の出荷一時停止』
を行っている件に絡んで、その背景を解説していました。
極洋では、2021年秋以降、サバ自身の価格や加工費の高騰の影響で、何回か値上げをおこなっていますが、今回は、サバ缶を作るに適した大きさのサバの水揚げが減り、原材料の確保が難しくなったことが原因のようです。
農林水産省が発表している『令和3年漁業・養殖業生産統計』で最近のサバの漁獲量について調べてみました。
少なくとも2021年までのサバ類の漁獲高は約10年前の2012年度と比べても大きく減っているわけではないので 漁獲量が大きく減ったのは、2022年度以降のようです。
FMでは、黒潮の大蛇行の影響で、通常の漁場付近の海水温度が上昇し、冷たい海水を好むサバが漁場に現れないのが不漁の原因との解説をしていました。
2023年1月12日に、『サンマ水揚げゼロの生活への影響は?』という記事をアップしましたが、サバ類の漁獲量が減った原因も、自然環境の変化 それも急激な変化によるところが大きいようです。
内容については↓の記事を参照してください。
お米、野菜に次いで自給率の高い魚介類が、自然環境の変化で獲れなくなると、日本の食料自給率にも大きく影響します。
農林水産省が発表している食料自給率は、ちょっと古いデータですが、令和元年時点で
カロリーベース:38%
生産額ベース :66%
という状況になっています。
日本人は『水と空気と安全はタダ』だと思っていると良く言われます。
日本は周りを海に囲まれた海洋国なので、海からの恵みには困ることはないと考えていたのですが、どうやら間違いだったようです。
自然の影響を受けにくい養殖 それも陸上養殖を本格的に立ち上げ、獲るから育てるに大きく舵を切るべき時期になりつつあるのかもしれません。